今話題のヒップホップフェス
残念なニュースではありますが、世間ではヒップホップのフェスについて ”大盛り上がり”しています。
ネガティブな側面でヒップホップが取り上げられることは不本意ではありますが、せっかくの機会ですので、歴史と共にヒップホップの ”フェス”について振り返っていきたいと思います。
伝説の日本語ヒップホップフェス「さんぴんCAMP」
日本のヒップホップの歴史を紐解いていくと、必ずといって良いほど名前が挙がる「伝説のフェス」があります。
それは、「さんぴんCAMP」というフェスです。主催者は、名曲「ロンリーガール」で有名な故ECDさんです。
それまで、ヒップホップ文化の醸成は主に「クラブ」でおこなわれてきました。さんぴんキャンプ開催以前も、クラブイベントではいくつか人気のイベントがありました。ECD主催の「CHECK YOUR MIKE」や、YOU THE ROCK★主催の「ブラック・マンデー」、雷のイベント「亜熱帯雨林」が有名です。
それらのクラブイベントと異なり、「さんぴんキャンプ」が伝説として語り継がれることになった革新性は以下の3点です。
- 日比谷公園の野外会場(日比谷野外大音楽堂)という、屋外かつ大規模な会場を埋め尽くしたこと
- 人気絶頂のRhymesterやキングギドラ、BUDDHA BRAND等のアーティストが集結した
- 力強いメッセージ性「セルアウト(売名J-RAP)へのアンチテーゼ」が謳われた
また、2016年には「さんぴんCAMP20」と題して、20年の時を経て伝説のフェスが復活したことも記憶に新しいと思います。なお、特筆すべき参加者は以下の通り。
- ANARCHY
- 般若
- OZEROSAURS
このように、「さんぴんCAMP」とともに拡大した日本のヒップホップは、その後も長年”フェス”に支えられてきたといえます。
ライブの映像はこちらをご覧ください ↓↓↓
Zeebraさん主催の「SUMMER BOMB」
元祖「さんぴんCAMP」の出演者であり、その後十数年にわたって日本語ヒップホップを第一人者として牽引した男、Zeebraさん主催のイベントが「SUMMER BOMB」です。2014年から2018年まで開催された人気のイベントです。
過去の主な出演者は以下の通りです。
- AK-69
- Creepy Nuts
- BAD HOP
現在、第一線で活躍し続けているアーティストばかりで、現代の「さんぴんCAMP」と言っても過言ではありません。なお、2016年のみ日比谷野外大音楽堂で開催され、それ以外の年は所謂「大箱」で開催されました。
次世代のさんぴんCAMPとして2021年でも絶大な人気を誇る日本語ヒップホップのフェスが「SUMMER BOMB」です。
なお、2020年夏のイベントはコロナ禍で有観客での開催が難しく、オンラインで開催されました。
オンラインライブの裏側を「BACK STAGE PASS」という形で配信されていましたので共有します ↓↓↓
大阪開催の「CIRCUS×CIRCUS」
西日本の中心地「大阪」で開催される夏フェス「CIRCUS×CIRCUS」。
大阪での開催ということもあり、出演するアーティストもバラエティー豊かです。
- Awich
- BASI (from 韻シスト)
- PUNPEE
- WILYWNKA
- tofubeats
2021年のステージでパフォーマンスするSIRUPさんの動画を共有します。
大自然で癒しの音楽を楽しむ「りんご音楽祭」
長野県松本市のアルプス公園という、自然いっぱいの会場で開催されるフェス「りんご音楽祭」。
自然の中で開催されることもあり、Chill Outに重きを置いたフェスになっています。
主な出演者は以下の通りです。ヒップホップシーンで絶大な人気を誇りつつ、玄人好みなアーティストが多い印象を受けます。
- GAGLE
- MONJU (ISSUGI / 仙人掌 / Mr.PUG)
- 韻シスト
- STUTS
2019年、GAGLEの名曲をパフォーマンスした映像を共有します。痺れます。
地方都市からヒップホップ文化の発信「OTHER POSSE」 in 所沢
最後に少し毛色を変えて、地方都市のローカルヒップホップフェスをご紹介します。
ヒップホップ文化を突き詰め、その魅力を届けるフェス。その名も「OTHER POSSE」です。
このイベントの特徴は何よりも、ヒップホップはじめ、ストリートカルチャーを多面的に楽しめることです。
具体的には、ラップ・DJ・ダンス・グラフティ・BMX・スケボーといった、幅広いストリート要素を一つのイベント内で楽しむことができます。
また、フリースタイルMCバトルで人気のある「晋平太」さん主催で、キッズ向けのフリースタイルバトルがある、珍しいフェスです。
OTHER POSSEの雰囲気を感じられる動画を共有します。あみじゃかんのDOGMAさんも参加されています。
結び
まだまだ、自由に思う存分、生の音楽を楽しめない状況にありますが、ヒップホップとフェスの文化を理解することで、今後フェスに参加したときを想像して楽しみを膨らませていただければ幸いです。
WAGASHI-OHAGI