キャッチーな ”ネタ” が極上なヒップホップビートに変わるMatt Cabの魔法

キャッチーな ”ネタ” が極上なヒップホップビートに変わるMatt Cabの魔法

「歌ってよし、プロデュースしてよし」の最新鋭アーティスト

目が離せません。もう寝ても覚めても、頭からも離れません。

本日は、ヒップホップ好きであれば必ずと言って良いほど聞いている、聞くつもりなくても無意識に耳に届くほどの存在感を示すアーティスト&プロデューサー、「Matt Cab」の魅力を余すことなくお伝えします。
いや、正直なところ、一つの記事では語り尽くせないほどの規格外な方ですので、今日は第一弾として、簡単にわかりやすくお伝えしてまいります。

本日のお客様はMatt Cabさん。簡単に人となりをご紹介すると、サンフランシスコ出身で、現在は日本で活動されている音楽家の方です。透き通ったボイスセンス溢れる楽曲制作、この2つを最高峰に合わせ持つのが最大の特徴と言えます。もう1点特筆すべき点は、ヒップホップはもちろんのこと、J-POP・K-POPアーティストのプロデュースもおこなう、多彩でマルチな活動をしています。ちなみに、今や話題沸騰の「BTS」に対しても、過去に楽曲を提供しています。

そんな神から二物も三物も与えられた最新鋭のアーティスト、Matt Cabさんに本日はフィーチャーしていきます。

魔法のように生まれ変わる、誰もが知るキャッチ―なネタ

つづいては、Matt Cabさんプロデュースの楽曲にフォーカスしてみたいと思います。

動画や記事を拝見したところ、主に以下の環境を使って楽曲制作しているようです。(引用元:Matt Cab YouTube)

  • Mac Book Pro + DAW (Cubase Pro)
  • MIDIコントローラー (AKAI MPD, ROLI BLOCKS, Native Instruments Komplete Kontrol)
  • Synthesizer (KORG)

楽曲制作の映像を積極的にYouTubeで発信してくださる、数少ないプロデューサーの一人ですので、同じ道を目指す方にとっては、これ以上に無い教材なのではと感じております。
幼き夢見ていた頃、私もDAWとMIDIキーボードでトラックメイキングに勤しんでいた時期がありますが、数年後に聞いてあまりにダサすぎて、すぐさま 「Shift+Delete」した苦い思い出が蘇ってきました。

失礼しました、私の思い出話に脱線してしまいましたが、ここからはMatt Cabワークをご紹介してまいります。
本日は、センス光るサンプリングが施された3曲をピックアップしました。

(1) JINGI / Reichi (2021年)
 本稿作成中の2021年8月から遡ることわずか1ヶ月前、各所で大活躍中のFemaleラッパー Reichiさんがリリースした
 本曲。この曲は、何といってもあの有名任侠映画シリーズ「仁義なき戦い」のテーマ(チャララ~チャララ~♪)し
 たことで大きな話題となりました。このトラックが、まさにMatt Cabさんワークになります。

(2) Famima Rap / MIYACHI & Matt Cab
 一度聞けばすぐにピンと来るはずです。
 そうです、かの有名な某コンビニチェーンの入店時メロディーをサンプリングした一曲です。
 一見、変化球であり色物と捉えがちですが、どうか2回目・3回目と繰り返し聞いてみてください。
 サンプルソースのメロディーが哀愁たっぷりに響き渡る、深夜にピッタリなヒップホップに仕上がってますよね。
 気付けば首を振ってしまっていること、間違いありません。

(3) TARINAI / MIYACHI
 これ聞いたとき、「なんだろう、この懐かしさ」と感じたことを覚えてます。
 なんと、この曲、1982年にオリコン年間売上1位に輝いた名曲「あみん / 待つわ」をサンプリングしています。
 特徴的なギターフレーズとサビの歌声ネタを原曲からサンプリングして、見事なヒップホップに仕上げています。

以上3曲をお届けいたしましたが、いかがでしたでしょうか。
どれも良い具合に元ネタを残しつつ、がっつりとヒップホップビーツに仕上がってますよね。
サンプリングって、どうしても元ネタ部分に耳を持っていかれてしまい、歌本来の魅力にまで辿り着けないということが多くありますが、Matt Cabワークの楽曲はそういった ”元ネタの悪目立ち” みたいなのが無いところが特徴的で、それはとにもかくにもMatt Cabのセンスと努力の賜物なんだと思います。

注目すべきMatt Cabの名曲

ここまで ”プロデューサー” Matt Cabに注目してきましたが、本稿の最後を飾るのはMatt Cab自身がアーティストとして歌う曲です。Matt Cabがいかに業界でも評価を受けているのか。それを証明した曲が「Searching For You(2015年)」です。

この曲の何が凄いのか。それは、あの伝説の一曲、今は亡きNujabesの「Luv(Sic.)Pt2」のトラックをサンプリングしているのです。

Nujabesと言えば、世界から根強い人気を集め、Jazzy Hip Hopの名曲を数多く世の中に送り込んできたプロデューサーです。惜しまれながら若くしてこの世を去った伝説のプロデューサー「Nujabes」、この方の数ある人気曲の中でも一位、二位を争う曲が、今回サンプリングした「Luv(Sic.)Pt2」なのです。

何が凄いかというと、恐らくこれまでにも数多くのアーティストが楽曲利用の依頼をしてきたのにも関わらず、それが叶うことがなかったなかで、今回初めてMatt Cabさんが楽曲化を実現したということです。

原曲の切なくて繊細で、でもどこか力強さを感じるところはそのままに、Matt Cabの引き込まれそうな美しい声が伝説のトラックのうえで響き渡る一曲です。これはヒップホップ・R&Bを愛する、いや音楽を愛するすべての人に聞いてほしい一曲となっています。

結び

Matt Cabについてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。
もちろん既に多くの方がご存知のアーティストではありますが、更に魅力が増したのではないでしょうか。
これからの音楽業界をけん引する存在であることは間違いありませんので、今後も皆さんと一緒にMatt Cabを応援していきたいと思います。

 

WAGASHI-OHAGI

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