日本のヒップホップにおけるレーベルの重要性

日本のヒップホップにおけるレーベルの重要性

レーベルとアーティストの関係

音楽業界に共通する話題ですが、「レーベル」を理解するためには、音楽活動に関係する組織の全体像を把握する必要があります。

(1) レコード会社:CDやDVD等の音楽媒体を制作・販売(流通)する組織
  例:エイベックス、ソニー・ミュージックエンターテイメント、
              ユニバーサルミュージック、等
(2) レーベル:アーティストが所属し、楽曲の企画や制作活動をおこなう組織
  例:avex trax、ソニー・ミュージックレコーズ、UNIVERSAL J
(3) 音楽出版社:楽曲自体(著作権)を管理する組織
  例:エイベックス・ミュージック・パブリッシング、
    ソニー・ミュージックパブリッシング、ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング
(4) 著作権管理事業者:音楽出版社から楽曲を預かり、楽曲利用者から利用料を徴収する組織
     例:JASRAC、NexTone
(5) プロダクション:アーティストのマネジメント (スケジュール管理・グッズ販売等)を行う組織
  例:エイベックス・マネジメント、ソニー・ミュージックアーティスツ、
    ユニバーサル ミュージック アーティスツ

ご覧いただくとわかるように、大きな音楽業界は、想像以上に複雑に役割がわかれているようですね。

そのなかで、今回ヒップホップに絡めてフォーカスをあてるのは、「レーベル」です。
では、なぜ「レーベル」が音楽で重要なのか。それは、「レーベル」が最もアーティストの音楽性に関わるからです。
レーベルの役割を深堀すると、更に以下の役割がでてきます。

  • アーティストの発掘
  • アーティストと作曲者(プロデューサー)の繋ぎ合わせ
  • アーティスト同士のコラボレーション企画
  • 楽曲の企画やプロデュース、音楽性の方向付け

上記レーベルの役割により、アーティストの音楽活動は大きく左右されることが容易に想像できるでしょう。

では、ヒップホップにおける「レーベル」の特徴はどんなところでしょうか。
特徴をざっくり整理すると以下に二分されると考えます。

  • 有名アーティストが主宰する、独立系の個人レーベル
  • メジャーレーベル内のヒップホップ専門レーベル

では、それぞれをもう少し深堀していきましょう。

個性豊かな ”個人レーベル”

ヒップホップの醍醐味といえば、有名アーティストによる「レーベルの立ち上げ」です。

なぜ醍醐味といえるのかというと、レーベル主宰のアーティストのもとへ集まるレーベルメイトが想像の範囲を超えた意外性があったりして、ワクワクドキドキするからです。

また、同レーベル所属のアーティスト同士がコラボレーションすなわち客演参加をし合うことで、楽曲にも化学反応が生まれるわけです。

では、今注目の、有名アーティストが主宰するレーベルを整理してみましょう。

レーベル名主宰者レーベルメイト
1%ANARCHYWILYWNK, LEON FANOURAKIS等
9SARI GROUP漢 a.k.a. GAMID.O, DOGMA
Goosebumps MusicGeGHiplin
くレーベルKREVACUEZERO, 熊井吾郎
O.Y.W.M
(ONE YEAR WAR MUSIC)
BACHLOGICKvi Baba

ご覧の通り、有名アーティストのもとに多種多様なアーティストが集結し、どことなく各レーベルに色があるように感じませんか?

9SARI GROUPのレーベル内でコラボした楽曲から、黒ーーい一曲をご紹介します。

知名度抜群の ”メジャーレーベル”

個人レーベルに対し、メジャーレーベル配下のレーベルに所属するヒップホップアーティストも多くいます。
やはり、メジャーの強みは人脈や広く世の中へ発信する力があげられると思います。
メジャーレーベルに所属すると、テレビやラジオへの露出も増加し、ヒップホップがより身近に感じられるメリットがあると考えます。

メジャーレーベルに所属するアーティストは以下の通りです。

レーベル名アーティスト
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズCreepy Nuts
Def Jam Recordings (旧 Def Jam Japan)AK-69, SWAY, IO(KANDYTOWN)
LDH RecordsDOBERMAN INFINITY, SALU

ヒップホップにおいては、メジャーレーベルに所属するということは必ずしも良いイメージとは限りません。かつてワーナーミュージックに所属したRIP SLYMEは音楽性も含めて「セルアウト」と表現されたこともあります。

しかし、そう言われることも百も承知のうえで、日本のヒップホップの底上げや音楽ジャンルとしての地位向上を目指す姿というのが感じられるのも、メジャーアーティストの特徴と言えるかもしれません。

結び

今回はヒップホップにおける「レーベル」についてお話してきました。

音楽の発展はアーティストのみならず、レーベルの力や、その他に関わるレコード会社、プルダクション等の力が合わさって成し遂げられるものです。

是非今後も、アーティストによるレーベル所属の動向をチェックいただきながら、業界の動きを見ていっていただければ面白いのではと思います。

WAGASHI-OHAGI

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