話題曲「STUTS&松たか子」は令和のヒップホップ版アベンジャーズ

話題曲「STUTS&松たか子」は令和のヒップホップ版アベンジャーズ

泣く子も黙るフジテレビ火9ドラマの主題歌がヒップホップ !?

2021年春に放送されたドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」を皆さんご存知でしょうか。
ご覧になっていた方も多いと思います。
何を隠そう、私も毎週欠かさず見ていた視聴者の一人です。

このドラマ、内容ももちろん面白いのですが、何よりも画期的だったのはエンディング曲です。

Presence/STUTS & 松たか子 with 3exes

何が驚きだったかというと以下の3点です。

 ・ヒップホップの曲である
 ・毎週、アーティストが変わる (トラックは変わらない)
 ・アーティストの選定が斬新かつ激アツである

同様に、過去民放キー局の連続ドラマの主題歌としてヒップホップの楽曲が利用された例をまとめてみました。

 ・konomama / DOBERMAN INFINITY
   ⇒泣くな研修医(テレビ朝日) 23時00分~ / 2021年

 ・Baby / AK-69
   ⇒拝啓、民泊様。(TBS) 1時30分~ / 2016年

 ・ライツカメラアクション / スチャダラパー
   ⇒週刊真木よう子(テレビ東京) 1時30分~ / 2008年

ご覧いただくとわかる通り、ほとんどは深夜枠です。
火曜日21時枠の今回の件がいかに突出した大抜擢だったかおわかりいただけると思います。

また、この件はヒップホップ界隈だけで賑やかになったわけではありません。
なんと、STUTS&松たか子のドラマ主題歌は、「第108回ドラマアカデミー賞ドラマソング賞」第1位に選ばれました。
受賞履歴を見ると、今回の選出がいかに快挙かがわかります。

 ・2020年:Luv Bias/Kis-My-Ft2
 ・2019年:星影のエール/GReeeeN
 ・2018年:感電/米津玄師

米津 ⇒ GReeeeN ⇒ キスマイ(ジャニーズ) ⇒ STUTS !!

ちなみに、今年STUTSの楽曲に次ぐ受賞曲は以下の通りです。

 2位:Pale Blue/米津玄師
 3位:不思議/星野源

星野源 < 米津 < STUTS !!

長年のヒップホップヘッズとして、なんだか自分のことのように誇らしい気持ちです。

夢の客演アーティスト陣

この曲は、STUTS & 松たか子 with 3exes(主演の俳優3人)という名義ですが、客演として毎週替わりで登場するアーティストが本当に絶妙です。

 ・T-Pablow (BAD HOP)
 ・Daichi Yamamoto
 ・NENE (ゆるふわギャング)
 ・BIM
 ・KID FRESINO

令和の夢のマイクリレーですよね。まさにアベンジャーズ。本当に素晴らしい。
個性豊かですが、全体として非常に良いバランスが取られている印象を受けます。

個人的見解ではございますが、簡単にそれぞれのアーティストの特徴を紹介します。

アーティスト名 特徴
T-Pablow (BAD HOP)カリスマ、王道、最先端
Daichi Yamamotoバイリンガル、美声、メロディアス
NENE (ゆるふわギャング)フィメール版カリスマ、個性的フロー
BIM変化球、ゆるい感じ、味がある
KID FRESINOクール、オシャレ、バイリンガル、スピリチュアル

これらの個性がSTUTSのトラックのもとに集結し、マイクをリレーしていくというのはまさにヒップホップの醍醐味が凝縮されているといえます。

黄金の2000年代アーティストでPlaybackする「Legends Remix」

今回ヒップホップだけでなく音楽史に名を刻むことになったSTUTSのPresenceですが、これが2000年代で再現した場合、どうなるでしょうか。
今回は、Presence(Legends Remix)と題して、トラックメイカーと豪華客演を2000年代アーティストで表現したいと思います。

松たか子

この枠は、何より女優で主役級の人でなければいけません。
あわせて、歌手としても活動する歌唱力も求められます。
2000年代に上記に該当する女優 兼 歌手といえば…

柴咲コウ(RUI)

2003年の「月のしずく」はミリオンヒットしており、女優としても数々の主演をしています。

STUTS

この枠は、トラックメイキングと全体のプロデュースを担当します。
MPCを叩き、サンプリングを得意とするトラックメイカー

LIBRO

繊細さと力強さ、サンプリングの巧みさに加えて、顔が広く様々な
アーティストとの楽曲制作をおこなう経験から、唯一無二な存在と言えます。

T-Pablow (BAD HOP)

この枠は、言わばその時代のNo.1ラッパーと言っても良いと思います。
カリスマで王道、テクニカルと言えば…

KREVA

今も時代の最前線でTop of Topに君臨していますが、2000年代にソロ活動を開始し、まさにカリスマとしてシーンを独走する存在でした。
正直この枠は非常に迷いましたが、やはり重責を担うのはKREVAさんしかいませんでした。

Daichi Yamamoto

この枠は、何と言っても美声でメロディアスな才能が必要です。
また美しさの中にもしっかりとヒップホップの黒さも必要となると…

Kalassy Nikoff (AK-69)

KREVAさんに続き、現在でももちろんシーンのトップに君臨するAK-69さんですが、2000年代は、ラッパーとシンガーの2つの顔を持ち、シンガー「Kalassy Nikoff」として活躍されていました。
コワモテな見た目からは想像もつかない綺麗な歌声で多くの人を魅了する姿はギャップがすさまじく、まさに衝撃的でした。

NENE (ゆるふわギャング)

この枠は唯一のフィメール枠であり、男性ラッパーにも負けない力強さと、特に女性からの根強い人気が特徴です。
そんなカリスマ性があり、フィメールラッパーのトップに君臨していたのは…

AI

言わずと知れたフィーメールR&Bシンガーの先駆者であり、カリスマ。
2000年代、AIさんの活躍を象徴する特筆すべき出来事は、Def Jam Japan加入でした。
ヒップホップの超名門レーベルに女性で初めて加入し、ヒップホップと濃密な関わりをもっていました。
今でこそたくさんの素敵なフィメールラッパーが登場していますが、2000年代は珍しい存在であり、AIさんはカリスマであり、フィメールを象徴する存在として活躍されていました。

BIM

この枠は少し王道から外れ、「変化球」とあえて表現をしていますが、シーンの存在感は非常に強く、多くのアーティストから客演に呼ばれたりする、個性が光る存在です。
また、ゆるくて落ち着くキャラクターも特徴と言えば…

ポチョムキン (餓鬼レンジャー)

当時は力強さが求められたシーンにおいて、脱力系のフローと溢れ出るチル感により異彩を放つ存在だったのはポチョムキンさん。マイクリレーにも加わっていただきたいキャラクターであること間違い無しです。

KID FRESINO

この枠はクールでおしゃれなのが特徴です。
また、英語を駆使したラップをすることで、フローに緩急がある人といえば…

Shing02

2000年代は伝説の「Luv(sic)」シリーズがリリースされ、Jazzyなトラックにおしゃれでクールに乗せるShing02のラップが注目されました。

まとめて比較すると・・・

原曲と空想の「Legends Remix」を対比すると以下の通りです。

原曲Legends Remix特徴
松たか子 柴咲コウ (RUI)主演級女優 兼 歌手
STUTS LIBROサンプリング得意、顔が広い
T-Pablow (BAD HOP)KREVA カリスマ、王道、最先端
Daichi YamamotoKalassy Nikoff (AK-69) バイリンガル、美声、メロディアス
NENE (ゆるふわギャング)AI フィメール版カリスマ、個性的フロー
BIMポチョムキン (餓鬼レンジャー) 変化球、ゆるい感じ、味がある
KID FRESINOShing02 クール、オシャレ、バイリンガル、スピリチュアル

いかがですか??並べてみるとゾクゾクしますね。我ながら、凄いオールスターを作ったなと感動しています。

結び

今回は、2021年の話題をかっさらったSTUTS& 松たか子の一曲に注目し、2000年代版のメンバーを空想で結成してみました。いかがだったでしょうか?

今や日本のヒップホップシーンには個性豊かなラッパーがたくさんいますが、その中からメンバー選定して一曲をプロデュースするというのはワクワクしますね。

是非、Legends Remixが現実で再現することを期待しています。

 

WAGASHI-OHAGI

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