「じゃむ feat. iri」で溢れるラッパー鈴木真海子の魅力
かつて、こんなに気持ちよくJazzyに、そしてChillin’にラップをする人がいただろうか。
先日、2021年8月18日に発売された鈴木真海子のファーストアルバム「ms」を聴いて、私はこう感じました。
アルバムのリード曲である「じゃむ」では、きれいなピアノのメロディーラインに対し、小気味いいドラムとベースがJazzyなHipHopビートへと飾り上げます。このトラックは、ピスタチオスタジオの「ryo takahashi」という方のサウンドプロデュースということですが、ほんと絶妙に鈴木真海子の歌声を引き立てています。
もちろん、鈴木真美子の歌声も素晴らしいです。ピアノの音色に合わせた歌声と、ドラム・ベースに忠実なラップのフローを巧みに織り交ぜ、聞くものを曲の中へとどんどん没入させていきます。気付けば何度も曲の頭から最後へとリピートしてしまうこの感覚は、音楽を長年楽しんできた私にとっても久しぶりな感覚でした。
特に2バース目でやられます。長い間奏の後、2バース目前半ではしっとりと歌い上げたと思うと、後半ではリズミカルにラップするわけです。このノリ方、日本でここまで巧みにできる人はいますか?
私が知る限り、その答えは「No」です。きっとこれは、鈴木真海子さんが唯一無二でしょう。
「mani」で立証される、ジャズバンドとの相性
1stアルバム「ms」から、もう1曲注目した曲があります。それは「mani」という曲です。
こちらは先ほどの「じゃむ」からまた少し雰囲気が変わり、シンセ(エレキキーボード?)の音色がトラックを先導し、テンポの良い曲です。この曲では、メロディーのある歌よりも、タイトなラップが目立ちます。
シンセのメロディーが特徴的なので、一見ラップが霞んでしまうのではと心配が頭をよぎりますが、そんな心配は鈴木真海子さんには無用でした。
見事にシンセのトラックを乗りこなし、ドラムの心地いいテンポにばっちりとハマったラップ、そして変幻自在のフローが、これまたリスナである私を曲の世界に引き込んでいきました。
この曲を聴き、かつてJazz生音バンドで一世を風靡した「The Roots」を思い出したのは私だけでしょうか。
結び
Jazzyな曲への卓越したノリ方を見せつける鈴木真海子さんの魅力について語ってきました。
いかがでしたでしょうか。
私と同じように魅力に引き込まれて「ms」をエンドレスループしている皆さんに朗報です。
来る2021年9月23日、Billboard Live Tour 2021が開催されます。
フルバンド編成でのライブといことで、思う存分、生音で鈴木真海子さんのJazzyな魅力を堪能できること、間違いなしです!是非会場に足を運んでみてはいかがでしょうか?
WAGASHI-OHAGI