トラックが流れ始めるやいなや、90年代ニューヨークの香りがプンプンと漂ってきます。
今回ピックアップするのは、「T.K.N.Y feat. Statik Selektah」、Kojoe・B.D. ・ELIONE・¥ellow Bucks、日本を代表する4名の共同名義です。
MC陣の面々を見るだけで既に間違いないことが確定しますが、更にそこへStatik Selektahビートが飾り付けをするわけです。Statik Selektahといえば、Eminemの楽曲プロデュースの実績もあり、Jay-Z率いるRoc Nationというレーベルに所属するという、紛れもなく国際的な一流プロデューサーです。
そんなNYの一流プロデューサーのもと、日本を代表するMCがラップを繰り広げるということで、聞かなくてもClassicになること間違いないのですが、実際聞いてみるとその想像を遥かに越える一曲に仕上がっています。まじで驚きでした。
タイトなドラムビート上でシンセのメロディーがループし、Hookは声ネタのスクラッチ。かつて魅了された90’s 東海岸ヒップホップが2021年に東京へドロップされ、そこに三者三様(実際は四者ですが)の個性触れるラップが重なります。いい意味でトラックが決して派手に目立つわけではなく、また4MCの皆さんも余裕あり気にビートを乗りこなしており、それが絶妙に融合しています。この曲を通して、改めて日本のヒップホップのレベルが高まっていることを確信できました。
Trapの流行が良い面で刺激となりBoom Bapが再燃している現在、こんなヒップホップの魅力がストレートに詰まった一曲が、皆さんの心のど真ん中を突き刺すのではないでしょうか。
WAGASHI-OHAGI